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隆也に恋人がいるのは承知のうえだった。
セックスをする前に、彼は正直に言い何度も念を押した。
再会したとき、隆也には、すでに付き合って二年たつ恋人と一緒に暮らしていたのだ。
その恋人が、半年前から性生活を拒むようになった。
初めは、「疲れているから」「気分がのらないから」と何かと理由をつけて断っていた恋人が、ようやく本当のわけを語ったのが、あたしと再会する2ヶ月前のこと。
「他に好きな男でもできたのか?」
そう聞いた彼に、恋人は今にも泣き出しそうな顔をして答えた。
「隆也とのセックスが苦痛なの。気持ちいいと思えないの」
それは、隆也にとって衝撃的な告白だった。
一体、いつから彼女はそれに耐えていたのだろう…。
隆也は、男としての自信を喪失していた。
だから、彼は、あたしを抱くことで、心の傷を癒やした。
失った男としての自信を回復した。
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