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それから、あたしたちは、車の中でセックスした。
彼の車は、高級と呼ばれる部類の国産の乗用車だけれど、それでも、体の大きな彼には窮屈だったろう。
でも、あたしはそれすら嬉しかった。
ぴったりと繋がったあたしたちの間には、隙間がまるでなかった。
彼は、昔に比べてキスがうまくなっていた。
昔より、ずっと深い快楽を与えてくれた。
ただ、昔のように、愛してるとは囁いてくれなかった。
でも、代わりに、何度もあたしの名前を呼んでくれた。
それらの全てに、あたしは、あたしと別れた後の隆也の歴史を感じ、切なさと快楽の狭間で身もだえた。
けれど、こうして再び彼に抱かれているという事実が、どんな悲しい過去や今より、確実に勝っていた。
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