4
バイト先のコンビニまで送るという隆也に遠慮し、あたしはバスに乗った。
夏の終わり、バスの中は蒸し暑く、色んな匂いが入り混じっている。
流れ行く窓の景色をぼんやり眺めながら、あたしは、束ねた髪の毛を手で摘み、そっと匂いをかいでみた。
隆也の吸うタバコの香。汗の匂い。
移り香がまだほんのりと残っている。
さっき別れたばかりなのに、すでに、あたしは隆也を恋しがっていた。
でも…。
でも、どんなに恋しがっても、彼が帰ってゆくのは、結局、恋人と暮らすアパートなのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます