3

「バイトは何時から?」



「6時」



答えながら、あたしは長い髪の毛を一つに束ねる。



気だるく甘い余韻は、すでに消えかけていた。




「シャワーは?」



「面倒だから、いいや」



隆也の香りが消えてしまうから…。



そう言えないもどかしさが、とても苦しかった。

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