第4話 義父からの返事


たまたま 虫の居所いどころが悪くて

義父ちちへの頂き物を 勝手に開封した私を

責めるような言い方をした 彼。


たまたま 虫の居所いどころが悪くて

つっけんどんに言い返した 私。


「箱のままじゃお仏壇にお供え出来なかったから。」


彼は「そうか」とだけ言って

黙って二階へ上がってしまった。


私の虫の居所いどころは ますます悪くなるばかり。

悔しいような、 悲しいような、

頭にくるような、 痛いような。


そのうち どうしていいか分からなくなって、

義父ちちにメッセージを送った。



お義父さん へ

実家からお義父さんへと貰って来たクッキーの詰め合わせですが、お仏壇へ上げるために封を開けさせてもらいました。

勝手に開けてすみません。



しばらくして 義父ちちから返事が返ってきた。



いいよ、もう家族なんだから。



一瞬だけ 時間が止まった。

気がついたら 涙が溢れてきた。


虫の居所いどころは 途端に良くなって

彼の元へ向かった。

この気持ちを 彼に伝えなくてはならないから。

入籍を数日後に控えた私たちが ギクシャクしていてはいけないから。


素直に思いを伝えれば 彼も素直になってくれる。

「ごめんね」の言葉で 仲直り。


さあ、 今夜の夕食はパスタです!


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る