冬日幻想

 あんまり空が青いものだから

 その先が見たくなったんだ


 遠い山の向こうで地図の世界を眺めていると

 不機嫌な風が僕を笑う


 何にもしない何にも出来ない世界の中で

 勇ましい雲を見ている時が一番の幸せ


 白き賢者は心を空に導いてくれる

 

 気が付いたらすべてが止まっていて

 そして世界と一つになっていく


 青い世界が色褪せて来て鳥達が朱く

 染まりながら家路を急ぐ頃


 ただただ立派な太陽の消えゆく幻と

 光り始める明星の中に世界の秘密を感じているよ


 すっかり道も見えなくなって街の灯は

 まるで銀河のようです


 冬の日はいつもこんな感じで

 過ぎていくのです


 風は厳しいけれど、雪が流れると

 それはもう綺麗で


 この季節はとても気に入っているのです

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