【被害額300万以上】小学校からの友人に騙され、全財産を奪われた私
和大雄
一章 毟られるまで
第1話毟られるまで①
私が友人から騙されたのは2011年9月の事でした。
あの未曽有の大災害である東日本大震災から半年が経ち、多少自分も自制感が抜けていた頃でした。
深夜1時頃、私は次の日が休みなのもあり、こんな時間にゲームを嗜んでいました。
この頃私はパチンコ店のアルバイトで生計を立てており、おまけに実家暮らしなのでそれなりにはぶりが良く、仕事が休みだったので気が緩かったと思います。
ポチポチとゲームをしてると、当時のガラケーから電話がありました。
それは小学生の頃からの親友[板熊]からでした。
板熊は中学校時代は所謂ヤンキーで、色黒で筋肉質なイケメンでした。
もっとも今はただのゴリラにしか自分は思いませんがね。今も生きているなら今すぐ苦しんで死んでほしい。
そんなクズな板熊とは小学校からの付き合いで、小学3年の時には一緒に映画やマックなどを食べて仲良くしたものです。ちなみにお小遣いで保護者同伴でなく映画やマックを食べに行ったのも板熊との付き合いが最初でした。
昔はいい思い出だったのですが、今は恥すべき人生の汚点です。
中学卒業後は会う機会がなかったのですが、バイト先のパチンコ店でたまたま遭遇。そしてすぐにまた付き合いを再開しました。
勿論大人になったので行く場所が居酒屋やカラオケやパチンコ店、そしてキャバクラや風俗などなどです。
また板熊はこの時もそのルックスがあり、異性からモテモテでたまに同コンの場も作って貰えるほどでした。
そう当時の自分には、心から誇れる素晴らしい友人でした。あくまでも当時は。今はもうあいつの事を褒めた書き方するだけでヘドが出る。
さてそんなゴリラからの電話を受け取り会話をすることになります。
「ようよう俺だよ板熊だよ。和大なにしてる~?」
「ああ、明日休みだからちょっとゲームをしてるよ」
「明日休みなのか、そりゃ好都合だわ。今すぐ八柱駅に来いよ。飲もうぜー」
「でもこんな時間だしなぁ~」
「そう言うなよ。さっきナンパしていい女捕まえてさ、ちょっと男手足りんのよ」
「まじ!?女いんの!?」
「ああ、3人もだぜ。尻軽そうだからワンチャンあっかもよ」
この時、自分は深夜で休みなのもあり変なテンションでした。
ワンチャンあっかもよ――ワンチャンあっかもよ――ワンチャンあっかもよ
この響きに自分のスケベ心に火が点いてしまった……本当に情けない。
「今すぐいくわ。ちょっぱやで行くね」
「おうおう。待ってるよー」
電話を切ってそそくさと身支度を済ませる自分。頭の中はワンチャンで一杯になってました。
ああ、なんて愚かな事をしたのだろう……足早に外に出て、飲むこと前提なので自転車にまたがり全力でチャリを漕ぎました。
そう……自分から餌になって自ら胃袋に飛び込んだとは知らずに……
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