第2話 明日を迎えるために
夕方になって空が霞んでいく。
風が強くなる。
彼女はバルコニーから、眠りに落ちようとしている街を見下ろす。
肩まで伸びた彼女の髪が、風に掠め取られていく。
今日も、あの人の耳触りの良いだけの言葉を思い出して、自虐的な笑みを浮かべる。
頬に一筋の涙が伝った。
今日が終わる。
(明日を迎えるために、私にもう少しだけ時間を頂戴。)
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