わたしと彼女の一日
amada
たぶん、どうでもいいこと
「ねー、今日のラブ:ライクはどんな感じ?」
ソファーに寝そべってPS4のコントローラーを握りながら、彼女が言った。
「ラブ20にライク80ってとこかな」
キッチンで洗い物をしながらわたしが答える。
愛してるってほどでもないけど、大好き。それが今日の比率。
彼女は体を起こして、ちょっと不満気に言った。
「昨日は40:60だったじゃんかー」
「人間の精神は流動的なんだよ」
泡の切れたスポンジに洗剤を足す。
ぽすん、と彼女がまたソファに寝そべる音がした。
小柄な彼女にとって、二人がけのソファーはベッドにちょうどいい。だからよくそのままコントローラーを握って寝てしまう。わたしはブランケットを掛けてあげてから、ベッドに入る。けれど、翌朝には決まって彼女はわたしの隣で寝息を立てているのだ。
それが可愛いなと思う。それが(ちょっとだけど)愛おしいなとも思う。
だからもし、今日もそうやって彼女がわたしのベッドに潜り込んできたら、明日の比率はラブに傾くのかもしれない。
人間の精神は流動的だからね。
洗剤の泡が流れていった。
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