第88話:描写文と説明文のバランス(2)

 堅苦しい話、ゆっくりと情景を楽しむシーン、読者に考えさせたい話などは、描写文を多めに配置します。


 逆にテンポよく進めたいアクションシーン、会話を楽しみたいシーン、気楽な話などは、描写文を少なめに配置します。


 では、具体的にどのぐらいの割合を考えるべきでしょうか。


 もちろん、上記の通り描きたい雰囲気でこの割合は変わります。

 が、ラノベならば最高でも――



描写文[1]:説明文[3]



――の割合に抑えた方がいいと思います。


 地の文で3センテンス(または行)つづいたら、1センテンス(または行)の描写文が現れるぐらいの割合です。

 これ以上、描写文を増やすとかなり堅苦しい雰囲気になります。


 また、これは最高値です。

 通常は、地の文で説明文が10センテンスぐらい続いたら、間に1センテンスぐらい描写文を入れてみましょう。

 それだけで、ずいぶんとそれっぽくなります。


 ちなみに情景を集中的に描写するにしても、前に書いた例文2のように、1:1を越えてしまうと「回りくどいなぁ」と思われる可能性大です。


 自分の小説を読んで「堅苦しいなぁ」と思ったら、描写文を説明文に変換してしまいましょう。

 もしくは、ばっさりと切ってしまうのもありです。

 これが本作の29話から語っている「描写を省く」ということにも繋がります。


 逆に雰囲気をもっと重くしたいなら、説明文を描写文に変換してみましょう。

 変換は前に書いたとおり、具体性を最小限にして想像を促すように書き換えればいいのです。

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