第75話:一人称

 最近は一人称もいろいろと変形パターンが出てきましたね。

 たまに「○○の視点です」と地の文とも違う注釈で断って、視点切り替えをするものまで出てきました。

 昔はこれをやると怒られたものですが、今では普通に認められているようになりました。

 これも時代の流れでしょうか……。


 ところで、一人称で注意して欲しいのは、やはり視点対象者以外の心情を書いてしまうミスでしょう。

 推測ならまだしも、確定的に書いてしまっている物もありますね。


 また、一人称の場合、主人公が見ている対象が切り替わったら、段落を変えるようにしましょう。

 もちろん、最初から1センテンス1段落ならいいのですが、違うのであれば段落の切り替わりタイミングは視点移動です。

 その方が圧倒的にわかりやすくなります。


 また、台詞と地の文の温度差に気をつけましょう。

 地の文は、ある意味で視点対象者の台詞となります。

 そこに温度差があまりにあると、違和感が生まれます。

 「表面上は不真面目だが、実は真面目」とかのキャラクターを表現する場合など、うまいことやる必要があるでしょう。


 一人称は、やはりキャラクターとの一体感が出やすいことが利点。

 逆に、あまりにも変なキャラクターだと、感情移入ができないので、そのキャラの一人称にすると結構大変でしょう。

 そういうキャラには、三人称か、他のキャラからの一人称の方がいいのかもしれません。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る