第33話:描写を省く(5)
ところで、なぜ拙作レムロイドの1話を2種類書いたのかといえば、実験をしたかったからというのもありますが、実際はReの方が好きだからというのもあります。
やはり、個人的には最小限、あのぐらいは欲しいなと思ってしまいます。
でも、入りやすさという意味では、初期版です。
それに対する対策が、拙作レムロイドの「章が進むほど変わる文体」と「内容の重み変化」という実験でした。
これについても第一部で書きましたが、読んでいない人のために書くと、第三章からシリアス展開の前振りが始まったり、だんだんと描写が多くなったりします。
スーパーライトから、ライトに。
ギャグから、シリアスに。
入りやすさから、深さに。
そういうことを狙っていたつもりです。
「でも、重みが出たらWebラノベじゃないのでは?」という疑問もでるかもしれません。
そもそも、「ラノベってなによ?」という、これまた荒れやすい定義の話も出てきます。
ここではラノベの定義は述べません。
ただ、ラノベの特徴の一つとして、「入りやすさ」というのがあると思っています。
ラノベって、読み始めやすい。
そして、波に乗りやすい。
そういう特徴がある話だと思っています。
そういう意味では、別に描写を省く必要は必ずしもありません。
読者に受け入れられやすい、読み始めやすい、波に乗りやすい文章が書ければ、それでいいのです。
もちろん、魅力的な展開も必要です。
ファーストフード化した牛丼小説も、描写の少ない小説も、結局はそのためのもっとも簡単な対策の一つです。
人によっては、これを「逃げ」と見る人もいるでしょう。
しかし、それによってデビューしている人たちがたくさんいます。
「俺は天才だ!」という人は別にして、私のように「凡人で行き詰まっている」という人は、試してみるのもいいのではないでしょうか。
これはそういう話でした。
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