2月25日 小寺 陸「怠惰」

 停水一日目。

 精算のオレにはほとんど関係ないはずのこの日が、結構憂鬱だったりする。

 毎回じゃないけどね。たまに。

 隣の人がヒトを殺しかけたことがあるとか、目の前にいる人たちが何てことない顔をしてよくわからない生き物を殺しに行くんだとか――そんなことをふと思い出しても、まぁ関係ないよな、で片づけてしまう自分が嫌になる。

 小さく小さくつぶやいたら、隣で祐一が口角を歪めた。

「精算仕事増える時期の、小寺さんの言い訳ですね」

「あーもー、ヤなこというなあ」

 否定はしないけどね。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る