第109話 観光計画。
結局騒音公害防止のためにちょっと亜空間行ってました、と正直に説明した。
「………、……………、………………そうかい。危ないことないなら良いけど無茶はダメだよ?モリー、ちゃんと見ておいてくれよ」
「チュー!もちろんじゃ!ジブンに任せるがええ」
何故か二人でがっしり握手してたよ。
宿の一階は食堂になっていて賑やかに注文がやり取りされている。
この雰囲気はどこの町でも同じような感じだ。
食は生に直結するからかな?
生きる上で必要不可欠なことであり重要と言えるだろう。
そしてそれは一人で食べるよりみんなで食べる方が美味しいってことだ。
確か科学的にも楽しく食べる方がより良いとされていた筈。
働いて得たお金で楽しく食事ができるってありがたいことなんだ。
牛っぽいお肉とキャベツっぽい野菜とピーマンっぽい果物の回鍋肉みたいな炒め物。
麦飯っぽい穀物に山芋みたいなオロロって野菜の擦ったもの。
塩味の簡素なスープ。
宿のおすすめを大皿で出してもらってカインさんとモリーと分け合って食べることに幸せを感じながら、僕は料理を堪能した。
「カインさん、それであのお知り合いとの話は…」
混んでいたので二人一部屋になった部屋に入ると僕はカインさんに聞いてみた。
突っ込んでは聞けないけど何か旅の日程に変更があるかもしれないと思っての事だった。
「うん、そうだね。概ねスムーズに用事がすみそうだから、また街を観光しようか」
「えっ、いいんですか?無理とかしてませんか?」
「大丈夫。さっきの知り合いが協力してくれるから余裕ができそうなんだ。遠慮しないで、行ってみたいところとかあれば言ってね」
険悪な雰囲気があったから気になっていたけど、帰ってきたカインさんは普段通りに見えたのでホッと息をつく。
「そうですね。じゃあ美味しい屋台巡りとかきれいな景色とか建物とか見に行きたいです。カインさんのおすすめは?」
「きれいな建物なら…城、いや、大教会かな?窓の装飾が凝っているし宗教画だけど絵も飾ってあるよ」
カインさんの説明によるとナンオウにあった教会はランク的に小教会で、王都の教会は最高位で大教会となるらしい。
「へぇえ、なら明日はその大教会を見てから美味しいもの食べに行きたいです!」
「ふふ、了解」
急遽入れてもらった簡易ベッドにどっちが寝るかでちょっともめたけど…。
「ほらもっとこっちにおいで」
「……………」
「そんな端にいたら落っこちるよ?」
「…………………あい」
僕、抱き枕。
はい。何故か僕とカインさんが普通のベッドに、簡易ベッドにはモリーと実体化したカルモが寝てます。
ちょっとよくわかんないです、はい。
すごく胸の動悸が激しいので距離をとりたいんだけどカインさんが離してくれませんでした。
まあ、気がついたら朝だったので眠れはしたんですけどね!
なんか何となく悔しい気持ちになるのはなんでかな!?
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