第24話 食事処猫飯屋。
冒険者御用達の食事処猫飯屋は安く多く早い料理が売りらしい。
丼ものや定食セットなどのボリュームたっぷりのメニューがどんどん運ばれている。
僕たちは奥のテーブルに座ったんだけど隣席の冒険者パーティーのテーブルはすごいことになっている。
山盛りの揚げ物に山盛りのキャベツっぽい野菜のサラダ、山盛りの黒パンとでっかいジョッキ。
はみ出ちゃうんじゃないの?
でも食べてる勢いも凄くて圧倒される。
ポカンと口を開けてたらカインさんに笑われた。
うう、なんか僕笑われてばかりな気がするな。
「猫飯屋へようこそ!ご新規さんは歓迎ですよっ。何にします?」
尻尾をフリフリしながら猫飯屋の店員さんが聞いてくる。
ここ猫飯屋はなんと従業員すべてが猫獣人なんだって。
コスプレではないのですよ。
「俺はいつもの日替わり定食ね。彼は…っと、メニュー見る?」
「は、はい…ン?」
メニュー表を見ると手書きらしいイラストと料理名がずらっと…並んでいるんだろうけど、読めなかった。
困った僕はカインさんと同じものを頼んでみた。
「もしかして、読めない?」
「はい…」
さっき買い取り屋さんで貰った領収書も詳しくは見てなかったから気づいたのは今だ。
もう一度メニュー表を見ても読めなかった。
日本語じゃないのはわかってた。
話し言葉は通じているのに。
混乱する僕をなだめるようにカインさんは笑顔を見せる。
「これから一緒に覚えていけばいい。まずは食べよう?」
「…はい」
わからないことがわかっただけでも進歩なのだ、そう思うことにしよう。
まずはカインさんの言う通り、ご飯をいただきます!
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