第21話:本は良い

本を読むということは平等だ。

わたしはそう考えて外食するときに話をする。

餃子が食べられる飲食店に2人で毎回10時頃に食事に行く。

そこで必ず0時を過ぎても話をする。周りのお客は誰もいなくなるまでだ。ウエイターが「またこいつらが来たか。どうせ最後までいるんだろうな」と顔なじみになるぐらい、通い続けた。

いらっしゃいませ、ご注文はお決まりですか?という質問をされ、私はいつものメニューを注文。同僚も同じくラーメンを注文する。その際に必ず水を持ってきてもらうように頼む。なぜなら私たちは長時間喋るのでのどが渇く、すると次第に水もすすむのだ。

いつも上司の悪口ばかりから序盤は始まるが、そこからもうこれだけ話せば十分だろうと私は提案し、相手のいいところを発見する話をつとめる。

今度は別の仕事仲間のことを言いまくるのがこの食事会の日課だ。

夏場になると店内のエアコン調整が難しく、少し肌寒いのが気になるが、話にはいつも夢中になり、いつしかそんなことも忘れてしまう。

ふと思うことがあるのだ。こういう他愛のない会話をするのは人としてごく当たり前のことだ。

しかしこういった会話をしている間にもお金の入ってくる仕組みができればいいのだがな。ズバリ経営者というものは自分が仕事をしてなくても雇用者が仕事をしてくれていれば売上が上がる者。

私は会社を設立しているわけではないが、株取引などできればこういう会話の間も上がったり下がったり、もしくはこういったアフィリエイト的なもので広告収入ができれば、たとえ今同僚と話をしていてもきっとお金は少しずつ入ってきて、またそのお金を有効活用することにより時間の短縮につながって、最終的には手元の流動性が完全に止まることなく、自分に入ってくるものではないかと感じていた。

そのころはまだ自分は何をすればいいか考えていなかった。しかしいつかはそんなことができるようになればと思っていた。

同僚は私が何を考えているかは分からず、ただひたすら今日あった出来事や前回の話の続きをする。私ももちろんその話に集中する。

今はまだ何をしたらいいか分からない。頭の隅にそういったことを考えているだけだ。周りの人の生き方に興味がある。たとえ本の筆者であろうと目の前の人であろうと。どういう人生教訓があるのか。

「閉店」となり、真っ暗な夜中の外でもまだ話が続き、30分後に帰宅をする。自宅からは20分ぐらい離れたところだ。そこから温泉に入りいつも帰宅は1時過ぎ、だいたい次の日が休みの時が多いからまだ無理はしていないというものもあるものだ。

まだ私は2人しかいない。3人目、いつの日かデイトレーダーのようなものができたらいいなと思い、その時から企業の株価についてを毎日チェックを行っていた。本を読んでいるうちにコンサルタントというものにも興味が少しずつ沸いていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る