道頓堀人情

-座長大会、「私のスター」に寄せる心-

この一升瓶には３枚貼れる。

この熊手には５枚貼れる。

もちろん輪っかのレイもある。

これ大事なんは貼り方やねん。

１００均の糊じゃあかん。はがれて落ちる。

あれ舞台に落ちるんはほんま不細工。

あんなん、慣れてへん素人のやることや。

知ってる、皆が好き勝手言うてるん。

そのくせ皆ニコニコ近寄ってきよる。

「凄いなあ」「喜ばれるでしょ」「あたしもやりたーい」

言うだけやったら子供でも出来る。

そない思うけどそんなん言わへん。

面倒くさなるやん、ややこしいやん。

どうせ皆しょーーもない理由ですぐに去ってく。

だいたい３年で入れ替わる。

ちゃう座長んとこ行ったり。

どうせ明日も何人か会うんやろ。

アホやで皆。アホばっかり。

あー、そんなんどうでもええ。

後は何やろ。何にしたら目立つやろ喜ぶやろう。

目立たせたらな。どの座長よりも。うちの座長。