片想いSS

時が止まった砂時計

━━私の時は、あなたと最後に話した日で止まっています━━

何気無い日々の中の信じたくない現実。

逃げてはいけないとわかっているのに、直視出来ない事実。

毎日が気だるげで、毎日が楽しかった。

あなたの隣で笑っていられた瞬間が……。

もっと早く気が付いていたら、未来は変わりましたか？

勇気を出して想いを伝えていたら、こんな今を過ごすことはありませんでしたか？

……不幸だなんて思っていません。

片想いしているときが一番幸せだって言うじゃないですか。

永遠に伝えられなくなって、永遠の片想いになった私の想い。

あなたは誰かを想っていましたか？

それすらも知らなかったんだなって思います。

恋だなんて気が付かずにいられたら、ずっと変わらない友達でいられたら……。

私の中のあなたはあの時のまま変わりません。

私の心も止まったまま。

まるで、時が止まった砂時計のように……。

……わかっています。

いつまでも止まったままではいけないこと。

けれど私は……あなたのことが、忘れられなくて。

もう少しだけ、あと少しだけ……。

このままでいさせてください。

いつかきっと前に進むために、砂時計が時を刻むようになるまで……。