下手な鉄砲

@terminal

第1話


「あなたのことが好きです!付き合ってください!」

「ごめんなさい」

とある男子高校生が、女子生徒に告白する。

何てことはない、青春の一幕。

これが一週間に一度のペースで続く。

彼の心情は、「下手な鉄砲数撃ちゃ当たる」

彼は告白に失敗してもめげることなく、次はどうすればいいのか、どのようなタイミングを選ぶかなど、考える。

いくら弾を外しても確実に装填し、彼の弾は決して切れることはなかった。

確実に、何度でも、何度でも撃つ。


しかし、彼の作戦には弱点があった。

「あなたのことが好きです!付き合ってください!」

「ごめん、彼氏ができたんだ」

それは弾の装填によるタイムロス。

また、手の内を何度もさらけ出すということは、相手に対策を練らせやすくすることだった。

そして…

「そうか、そうか、彼氏ができたのか…彼氏が…」

彼は憤り、怒りの矛先は彼氏へと向かった。

彼は鉄砲を酷使していたのだ。

暴発するのも時間の問題である。

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