アマデウス・リプレイノベル 紅の九歌姫(ミューゼス)
ごん里山
00 君に贈る忠告の予言
やぁ。久しぶりだな。
前に声をかけたのは、確か3分ほど前のこと――
――いや、君にとっては、もう少し未来のことになるのか。
どうした? 不思議そうな顔をしているな。
あぁ、そうか。分かったぞ。
まだ、君は何も知らないというわけだ。
ふふっ、すまない。
我としたことが、すっかり忘れていたよ。
あぁ、名前はいずれ分かるだろうから、
ここで名乗るようなことはしないよ。
我は、君に忠告をしにきたのだ。
今ならまだ間に合う。
黙って身を引くことをオススメしよう。
もしもそうしてくれるのならば、君は再び、
元の何の変哲もない日常に戻ることができる。
だが、もしも『この先を読み進める』つもりであれば、
君が元の日常に戻ることは決してないだろう。
待つのは底知れぬ神々の世界だ。
あの時、素直に忠告に従っていれば…。
そう思うときが、君にも必ず訪れる。
そうだな…。3秒間待ってやろう。
これが正真正銘、最後の忠告だ。
チッ…
チッ…
チッ…
どうやら、我が忠告に耳を傾けてはくれないようだな。
時間の無駄だった、か。
いや、良い時間つぶしだったと考えることにしよう。
我は、ポジティブなんだ。
これもまた回避できぬ運命の一部ということが分かっただけでも、十分な収穫さ。
再び会うことを楽しみにしているぞ。やがて神の血を授けられし者よ。
我は『彼女』とともに、必ず君たちの元を訪れる。
そして、君たちを永久なる眠りへと誘うであろう。
これは確定した未来だ。なぜなら――
――我にとってはつい先ほど、既に体験してきた出来事なのだから。
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