異世界チーレムに憧れた少年はチートを使って高みを目指す

@kotatsumuri

第1話

「俺達を元の世界に返せよ!!」

「そうだそうだ!」

「貴方達自分が何をしたかわかっているの?拉致監禁よ!」

「今日発売のゲーム買えねぇじゃねぇか! ふざけんなよ!?」


皆さんなら今がどういう流れでこうなっているのかご存知だろう。そう。その通りだ。

所謂、クラス丸ごと異世界召喚だ。


それは数分前に遡る。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


俺はいつも通り昼飯のチョココロネを食べ終わり、ラノベを読んでいた。

あ、因みに友達がいないから読書をしているはない。断じて。断じてそういう訳では無い。

おっと、話しが逸れてしまった。

俺がラノベを、読んでいた時だったな。

突然教室中が所謂立体魔法陣と言われるものに囲まれてその後すぐに光ったかと思えば、俺達は綺麗としか言いようがない城にいて目の前には逞しいヒゲを生やしたお爺さんがいた。

そしてその俺達を召喚したであろう救世主は(俺にとっては救世主も同然)こう言ったのだ。

「お主達は勇者として、この世界に召喚された。今人類の領域が魔族に侵され危機に瀕しておるのじゃ。我等の願いは人類を、魔族から救って欲しいということじゃな。その為にお主達には訓練を受けてもらうぞ。なにか質問はあるか?」

そして、冒頭に戻る。


―――――――――――――――――――


よくもまぁ、あんな風に元気に騒げるものだ。

あ、そういえば異世界召喚といえばステータスが見れるのが定番だが、この世界ではどうなんだろうな。俺は自分が無双できるほどのステータスを持っていますようにと、一抹の期待を込めて

――ステータスオープンッッッ!――

と、叫んだ。心の中で。


……何も起きない。無性に恥ずかしくなった。

これはあれか、ステータスプレートが必要なパターンだ……。


と、ここで言われたい放題だった、じいさんが発言をした。

「ふぉっふぉっふぉっ。まぁ、そんなに焦るではないぞ。ロナード、説明をしてやれ。」

「は。ここにあります板、これはステータスプレートと呼ばれるものです」

ステータスプレートキタ━(゜∀゜)━!

「この、ステータスプレートにご自身の血を1滴垂らしてください。そうすると個人登録が完了し、自身のステータスがここに、記載されます。」

やっと来たよ! さぁ、ここから俺の物語は始まるぜ!

「ちょっと待てよ! 何わけのわかんねぇこといってんだ?」

「そうだそうだ!」

「貴方達、もっと私にわかりやすく説明なさい!」

「ふぉぉぉぉ! これは今流行りの異世界召喚ってやつなのか! そうなのか! だとしたらキマシタワー!!!俺の時代キマシタワー!!」

もう、お前ら口を挟まないでくれ……。

まぁ丁度いい、ここらで人物紹介でもするとしよう。

最初のがこのクラスのまとめ役、光堂勇士だ。こいつは見た目や言葉遣いはどこぞの不良のようだが、行動は優しくて、とても思いありのあるやつだ。

2番目は、まぁ、モブだな。勇士に付きまとってトップカーストの恩恵をもらってるモブだ。それ以下でもそれ以上でもない。だが、「そうだそうだ!」と、後は「マジそれな!」などといった相槌の言葉だけでトップカーストにい居続けているのだからそれはそれで凄いと思う。

3番目は、斉藤美子(よしこ)だ。見た目や言動、家柄はお嬢様なのだが、この名前どうにかならなかったのかと常々思っている。斉藤グループの長女だ。金持ちだ。羨ましい。

4番目はとてもコミュ力の高いオタクという表現が一番いいだろう。名前は、吉村翔太だ。アイツはオタクとしても優秀な癖して持ち前のコミュ力を生かして、トップカーストに居る。

と、どうやら話がついたようだ。

「――つまりあなた達はこの世界では充分に勇者たる程の身体能力を持っているのですよ。要は前の世界よりも、幸せでいられるということです。」

「いやいや、強さとか関係ないし?」

「いいから早く俺達を元の世界に返せっての!」

お前ら聞き分け無いなー。俺は早くステータスが見たいんだよー。

「お主達が元の世界に帰れる方法はないぞ?今のところは」

「え? 今のところは?」

「そうじゃ、魔王を倒すという契約内容でお主たちを呼んだのじゃから、魔王さえ倒せば自動的に帰ることが出来ると踏んでおる」


――場が静まり返った――


「どうするのじゃ? どうしてもという奴、聞き分けのないやつは文字通り切り捨ててもいいんじゃよ?」

可能性を出してから退路を絶ちやがった。このじいさん中々やりてだぞ!

「みんな! もうここは王様っぽい人に従おう!」

おっと、テンプレみたいなこと言い出したぞ。まぁ、ここまで充分テンプレに沿った内容だとは思うが。

因みにこいつは黒谷大和だ。見た目は良く頭もいいのに勇士のせいで影が薄いという可哀想な人物だ。まぁ、女子からの人気は大和の方が高いが。

「大和がそういうなら……。」

おっし!その調子だチョロギャル!もっと言ってやれ!

「殺されるのは御免だからな。ここはお前に従うとしよう。みんなもそれでいいか?」

「勇士の言う通りだね……。殺されちゃったら元も子もないしね。」

おい、俺ら強いんだからそうやすやすと殺されはしないんじゃないの? そこに気が付かないの? 馬鹿なの? まぁ、いいんだけどさ。

「それではステータスプレートを持って参りますので、少々お待ち下さい。」


…………あ、そういえばなんでここ騎士のひとりもいないんだ? 王女様もいないし、まず近衛騎士? だっけ? とか言うのが大体王様の周りにはいるものな「お持ちしました」お、ステータスプレートやっと来たか。


板と針を受け取り指の腹にチクッとさして血を垂らす。

…………垂らす……たら……垂れない?

あれ? 傷が塞がってる……。周りのみんなを見るとそんなことは起きておらず所々でステータスプレートが光っては歓喜の声や、悲嘆の声が聞こえてくる。


あれ、どうしよう。ステータスプレート開示できねぇ……。

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