続、迷子
迷子の迷子の王子様
隣の国との境に広がる
大きく深い森の中
馬と共にさまよい歩く
日も暮れ辺りが暗くなる頃
小さいけれど綺麗な家が
仄かな明かりを窓からこぼし
ひらけた土地に現れた
良かった野宿は免れた
王子は笑顔で扉を叩く
暫く待っても扉は開かない
声も聞こえてきやしない
王子はそっと扉を開けた
王子の黒い二つの瞳が
一番最初にとらえたものは
鋭い剣の切っ先だった
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