発端


「おい!平井今週土曜日、アレに来るのかよ?」


 そう言ってホームルームが終わった後、声を掛けてきたのはクラスメートの吉岡だった。


「あれ?ああ~サバゲーの特訓?どうだろ、あれって相当キツイ事やるんだろう?」


「まあ、そう言うなって!特訓でもしなけりゃ13連敗は避けれないんだからよ~」


「そうだよな」



 僕の所属するサバゲーチーム ”スパークス”はもっかリーグ戦最下位今も12連敗中でこのままだと、所属リーグから除名されてしまう瀬戸際だ。そして認めたくないがその12連敗の原因は僕がほとんど。


 小さい時から怖がり、このチキンな性格のせいで、サバゲー中敵に遭うとそれが正面であったときだけでなく、背後にいる楽々相手をヒットできるポジションについた時でも、逃げ出してしまう。


「左様!!やはり連敗脱出の鍵は平井氏、御主の修練にかかっているのう~」


横から口を出してきた少しだけ小太りの奴はやはり同じクラスメートの宇仁 持具うに もちともだった。



 小学校高学年からサバゲーに参加しているから経験豊富だし、サバゲーの成績も良いけど口が悪いし、物を食べるときくちゃくちゃさせて食べ方が汚いからついたあだ名がウニモグ。

 

 

 はあ~ウニモグに馬鹿にされるなんて気が滅入るなあ~。


 

 そして、この憂鬱な気分が引き金になったか、体調を崩していた僕はその翌日ひどい風邪を引き学校を休んでしまった。






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