第2話 学園生活

私は翌日、何時もの様に登校した。

空は快晴で清々しい朝だった。

そう、私がアリスでありアリスで無いのを知っているのは生徒では瞑夜さんだけです。

「先輩、おはようございます」

「おはよう」

後ろから声をかけられ返事をかえす。彼にとって高校生の私はどう見えるのかしら……。

等と考えながら歩きながら話す。

「午後の精霊召喚の実習の為に昼休み大丈夫ですか?」

あ、精霊召喚術を教える約束だった。

「はい、私も楽しみです」

男子と会話がこんなにも続くのは何時ぐらいぶりだろう。

そうだ!瞑夜さんと何時でもいられる様に願いを込めて特別な『使い士』を召喚しよう。

そして、

私たちは学校の中庭に進み、お皿に砂を入れて魔法陣を描く、そして、召喚儀式を行うと砂小さな人型の人形が現れ動きだす。

「こんにちは、私は『デイ』心、生活を映す存在、つまり、あなた鏡です」

「さすが!こんな高度の召喚が簡単にできるなって!」

瞑夜さんは私の召喚した人型を物珍しそうに眺めている。

「う、ぅ……そんなに褒められると言葉に詰まります」

「僕も作ってみるよ」

瞑夜さんは不慣れな様子で魔法陣を描き召喚儀式を行うが少し砂が盛り上がるだけであった。

「ダメか……」

「そうなか?瞑夜さん私に素直に聞きに来ました。とても、素直で綺麗な心です。召喚儀式は心の鏡。磨くのは大変ですけど大切なことです」

私たちは和やかな笑みを交わしました。

とても、ステキな時間が流れていました。


私と瞑夜さん屋上で昼ご飯を食べていました。

初夏の風が流れ季節を感じさせられた。ありふれた毎日でも時は流れているのね。

「先輩は召喚術の塊なのに、ご飯を食べるのですか?」

もう、人が季節を心に感じていたのに。複雑な気分だけど、でも、ホントの言うしかないか。

「うーん、このお弁当も召喚術で作ってあって。食べ物を食べるふりをしているの」

「なるほど」

瞑夜さんはじつはあまり興味が無かったようだ。

現実の私も窓を開け、空を眺めてみた。

軽い気分転換のつもりが少し寂しくなった。

瞑夜さんにもう少し心を開いてみようかな。そんな気分だった。

さて、私もお昼にしましょう。

がざごそ、料理を作るのは楽しいです。私のレシピには愛が少々入っています。

お皿に盛りつけて。

海鮮パスタの出来上がり。

さて、さて。早速、食べてみますね。

でも、お味は秘密だったりします。

さて少し……。

「先輩!」

「うぅん?」

瞑夜さんの声が……もう少し、寝かせて。

「もうすぐ授業ですよ」

「あ……」

「先輩はもう」

「屋上の青空にお腹いっぱいで寝ていました」

現実でお昼を食べていて学校の私は少しお休みしていました。

でも、ステキな男子付きだったのは秘密。


今日は召喚術についての基礎知識の授業だ。

「え、召喚術とは術者が思念を込めて印、ここでは簡単に印と呼びますけれど実際は複雑な物が多く魔法陣とも呼ばれます。で、印の形より召喚されるものが決まるのはあたり前ですね。しかし、術者の思念の集中力など個人的な要素が有り、その要素を補うのが、この学園の目的の一つでもあります。ここで炎を召喚したいのですが安全性のためエアダンを召喚します、エアダンと言っても大きな音がするだけです」

先生が魔法陣を書き軽く念じると魔法陣の上で『パン』音がした。

「はい、成功です。これは印の上に多少の空気を召喚して圧縮しただけの簡単なものです」

私にとっては簡単な召喚術ですが、基礎の術式は高度の召喚には無い難しさが有るので気は抜けないです。

「では皆さんもやってみましょう。安全性の為、魔法陣はコピーしたものを使います。

簡単に言えば一定以上の出力はどんな術者でも出ません、しかし、もちろん何も勉強せずにトライしても何も出ませんので……ま、これはテストで無いので気楽に挑戦してください」


授業を終え召喚実習室から帰る所です。

あの教室は意外と設備が充実しているので魔界から魔族を召喚しようと思いましたが、失敗。異界スライムを召喚してしまい……あの時は大変でした。


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