No.1954.真っ白い ひとひらの雪 手の平で消えて

真っ白い雪 ひらひらと 手の平で 静かにとけていった

儚く消えていった


人を信じるという事忘れて

人に恋するという事恐れて

そんな僕に真っ直ぐに接してくれていたから

いつしか君に恋してた 忘れてたものわけてくれた


こんな雨の日は逢えない寂しさが いつもより募るけど

いつか逢えるって信じているからきっと耐えられるんだ


肌にさすように降り続ける雫達

火照ったこの体の熱を沈めてくれているようだ


真っ黒な空 轟く 稲光 ピカッとまたひかった

やむ気配はない


他の誰でもない僕は僕だから

君に恋して 君を愛していた

気付けばこんな所まで来てしまっていたけど

僕ら二人 君と二人 いつかともに歩けるはずだから


弱くなってきた雨の中 びしょ濡れなのもかまわないさ

二人共に過ごした僅かな時間は本当だから


雨がやみ 太陽が輝く


真っ白い ひとひらの雪 手の平で 静かにとけていった

大丈夫だから そう囁きながら

儚く消えていった

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