No.1618.灰褐色の胸像

黒蟻が体の中を我が物顔で這いずり

血の流れも電気の流れも不誠実に崩れていく

瞳の形したカタルシス

馴れ初めは不思議な砂漠


僕の鏡は割れて粉々

嬲られてはなじられて

殻がよりいっそう硬くなる


六角形数限りなく重なり

自我がどこまでも炙られ

我を見失った灰褐色の胸像


とげとげが皮膚を突き破り肥大した

暗黒で光輝く粒子のはじけた色合い

心を目指したモラトリアム

知りすぎたのは不毛な命


爪の後は滲んだ青色

やぶられてはやぶけて

身包みはがされた


六角形数限りなく重なり

自我がどこまでも炙られ

我を見失った灰褐色の胸像

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