No.525.arid zone

終電に揺られ つかんだ 手摺は汗でぬめってる

居心地の悪い アナウンスが 耳に響く

わずかな夢見心地でも きつい一言

疲れ切った体に 重くのしかかる


外面は いっぱしのビジネスマン 中身はすっからかん

自分で選んで 歩いてきたはずなのに 後味がやけに苦い

残業ばかりで 楽しむ事も忘れて

指の先まで 乾きっぱなし

干からびて ひびだらけ 偽りだらけ


黄色から 赤にかわりかけた 信号 嫌気がさして

わずらわしい人込みに もまれ 嫌になる


ほのかな 香水も鼻を しめつける

すたれきった 脳髄にがつんとくる


表向きは 目立たず それなりにやってきたけど 虚しい


誰かに 押し付けられた やり方じゃないのに 何かがおかしい

世間に あわせてばかりの毎日


腹の内まで 乾きっぱなし

干からびて ひびだらけ 偽りだらけ

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