318日目:たまには息抜きを。

 神聖歴六一〇三年・木目牛このめうしの月第二五日・天気:晴


 ふぁ~よく寝ました。疲れた体にはやっぱりふかふかベッドが一番ですね。

 そんなことを思いつつ、魔狼に噛まれた左腕を動かすと……うん、問題なし。

 鎧の頑丈さとサマラさんの手当のお陰で、後遺症もなく普段通り動かせます。

 

 ……これならお仕事をしても大丈夫そうですね。

 う~ん……でも、今日ぐらいは休みましょうか……。

 最近は大変な依頼が多かったですし、たまには息抜きも必要ですからね。

 よし、今日は休日に決定です! 羽を伸ばしてゆっくりしましょう!


 というわけで朝食時、皆にそのことを伝えその後は自由行動に。

 一応全員に予定を訊いてみると――、

 ニコさんは錬金術師ギルドの講習会へ行くそうです。

 サマラさんは近くの教会で礼拝をしたあと、昔の仲間のお墓参りへ。

 ルルちゃんは商業区でお買い物……無駄遣いはダメですよ?

 ルイナさんは……なぜか教えてくれませんでした。

 今度、野宿した時のお楽しみってなんでしょうね? 気になります。


 で、ノアさんは私と冒険者ギルドへ。

 魔狼討伐任務の結果を報告するので、付き添ってもらいました。

 というか、魔狼の素材などは全てノアさんが保管していますからね。

 彼女がいないと依頼の完了報告ができないので仕方ありません……。

 まぁ、問題がなければお昼前には終わるので、大丈夫です。大丈夫。


 とか思っていたんですが、報告が終わったのはなんと夕方。

 うぅ……これも全て依頼書の内容より魔狼が多過ぎたせいです。

 まさかあんなに報酬関系の話で揉めるとは思いませんでした。

 けど、最終的には群れの規模に合った報酬をしっかり勝ち取りましたよ!

 今回の依頼は割りと命懸けでしたからね。ちゃんと払ってもらわないと。

 

 でも、ノアさんには悪いことをしましたね……折角の休日だったのに。

 そう謝ると、気にしないでいいよ、とノアさんに優しく頭を撫でられました。

 ちょっ……なんですか急に! ほら……もう、髪がぐちゃぐちゃです。


 手櫛で髪を整えながら抗議すると、クスクスと楽しそうに笑うノアさん。

 むぅ……わけが分かりません。ノアさんってたまに不思議だから困ります。

 そうして困惑していると、ちゃんと成長しているなぁと思って、とノアさん。


 ……それは、そうですよ。もうすぐ冒険者になって一年ですからね。

 いつまでもノアさんと出会ったばかりの新米冒険者のままではないのです!

 なんて胸を張って言うと、調子に乗らない、と軽く頭を叩かれました。


 ……地味に痛いです。でも、本当にもうすぐ一年ですね。

 私はこの一年で少しは憧れの冒険者に近付けたでしょうか?


 ……いえ、きっとまだまだですね。

 だから、明日も明後日も頑張って依頼をこなしましょう。

 目指す冒険者の姿がその先にあると信じて……。

 

 今日の収支

 銀貨:-7枚(宿泊費×6+ソシオ)(食事◎、寝床◎)

    -1枚(ルルちゃん:お買い物代)

    -3枚(ニコさん:講習代)

    -5枚(サマラさん:礼拝料など)

    -4枚(ルイナさん:用途不明)

 金貨:+1枚(依頼報酬)

    +3枚(魔狼素材売却報酬×30)

 ――――――――

 残金:金貨20枚、銀貨64枚、銅貨34枚


 (*'-'*) 明日からも頑張ります!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る