316日目:魔狼討伐任務です!

 神聖歴六一〇三年・木目牛このめうしの月第二三日・天気:曇


 ふぁ~気持ちのいい朝です。流石は一人銀貨十枚もする高級宿屋。

 部屋は広いし、ベッドもいつも以上にふかふかで素晴らしい寝心地でした。

 夕食も特上のお肉を使用した豪華な料理を堪能できて言うことなしです。

 また近々泊まりたいですね……今の資金なら少し贅沢をしてもいいですよね?


 そんなことを考えつつ朝食を終えたら、冒険者ギルドへ。

 お金に余裕はありますが、今日も真面目にお仕事です。

 新しい鎧の性能も早く実戦で確認しておきたいですからね。

 

 というわけでギルドに着いたら、クエストボードから依頼選びです。

 今回は鎧を試す意味もあるので、討伐系のお仕事を探します。


 う~ん……あ、これ! 魔狼まろうの討伐任務なんて良いかもしれません!

 魔狼は魔術師などの使い魔だった狼が長い年月を経て魔物化した存在です。

 普通の狼より狡猾で、体が大きく身体能力も高いことで知られています。

 大規模な群れになった場合、一晩で村を壊滅させることもあるとか……。

 

 でも、依頼書によれば群れはまだ小規模のようですし、叩くなら今が最適です。

 その割に報酬は中規模の群れ並。加えて狩った魔狼の素材は受注者の自由。

 うん……とても美味しい依頼です! よし、これに決めましょう!


 そんな感じで依頼を受注し現在、時刻はお昼少し過ぎ。

 私達は魔狼の群れが確認された王都南部にある森の前にやってきました。

 これから装備を整えたら、そのまま森へ入って急いで魔狼討伐の開始です。

 日没までに終わらせないと凶暴化して面倒ですからね……頑張ります!


 数時間後……だいぶ陽が傾き始めましたが、討伐はまだ完了していません。

 というか今、森の中で魔狼の群れに囲まれています……予想外の事態です。

 小規模という話だったので五~六頭の群れを想定していたんですけど……。

 

 周囲にいる魔狼の数はそのざっと四倍……二十頭以上の数がいます。

 けど、これでも減らした方なんですよ? 最初は三十頭以上いたので。

 むぅ……小規模な群れとか嘘ばかりです! 帰ったら絶対に抗議しないと……。


 なんて文句を言いながら、黙々と討伐作業を継続します。

 正面から跳びかかってくる魔狼を右に避け、擦れ違いざまに黒竜の小剣で一撃。

 体勢を崩したところを、ルルちゃんが追撃し止めを刺して、また一頭討伐完了。

 

 とか思っていると、森の奥で響く魔狼の断末魔。

 どうやら、ルイナさんの放った矢が茂みに隠れていた魔狼を仕留めたようです。

 

 ノアさんとサマラさんは二人でニコさんとソシオの護衛中。

 サマラさん、魔狼を殴りたそうにしていますけど、絶対にダメですからね!?

 貴女は神官! 後方での支援活動が本職です。前線には出ないでください。


 そうして夕方。残り十頭前後というところで、急に森の奥へ退き始める魔狼達。

 逃げるなんて変ですね……しかし、彼らを夜の森で追うのは危険過ぎます。

 仕方ありません……私達も一旦森の外へ撤退しましょう。決着は明朝です!


 はぁ……でも、今晩は野宿ですか……悲しいです。


 今日の収支

 特になし

 ――――――――

 残金:金貨16枚、銀貨90枚、銅貨34枚


  (*'-'*) あ、新鎧は凄くいい感じです♪

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