262日目:今年の終わりに……。

 神聖歴六一〇二年・黄冬猪おうとういのししの月第三一日・天気:晴


 さて、今年もいよいよ終わりですが、ルルちゃんと二人で冒険者ギルドへ。

 あ、別に依頼を受注するわけではなく税金の支払いです。

 月末なので国民税など諸々払っておかないと……。


 ギルドの受付には今日も眼帯お姉さん、というかギルドマスターの姿が。

 ふむ、ちょうどいいので今年お世話になったお礼を言っておきましょうか。

 そう思い支払いの前に挨拶をすると、来年は無茶すんなよ、と眼帯お姉さん。

 ありがとうございます。けど、お姉さんも割と無茶振りしてきましたからね!?


 何事もなく支払いを終え、冒険者ギルドを後にします。

 このあとは新年のお祝に使う食材を市場で買わないといけません。

 でも、意外と高いんですよね……お金、足りるでしょうか?


 その後、どうにか日暮れ前に食材を確保し教会へ戻ります。

 到着したら、材料を食堂へ運び込み、急いで調理開始です!

 ふふふっ、ついにこの時が来ました! 野菜の皮むきなら任せてください!

 けれど、なぜか私はちびっ子たちのお世話係に……悲しいです。


 諦めて子供たちと冒険者ごっこをしていると、サールさんが呼んできます。

 ハッ!? もしかして、やっぱり野菜の皮むきに私が必要なんですか!?

 しかし、そんなことはなく、お客さんが来ているので対応してほしいと……。

 ……今年も終わるというのに、こんな時間に一体誰でしょう?


 困惑しつつ出迎えに向かうと、そこには見知った人達が沢山いました……。

 って、えぇ!? なんでいるんですか!? というか何してるんです!?

 驚いていると、お! 久しぶりだねぇ~、と私に抱き付いてくる一人の女性。

 マルガさん!? てか、この寒いのに露出が多い革鎧はどうかと思います!

 思わず突っ込むと、ははっ、相変わらずだね、と言いつつ解放してくれました。

 

 改めて周囲を見渡すと、お客さんは今年関わった冒険者の皆さんでした。

 初めての護衛任務で一緒だったガンツさんにミリさん。

 ターベの街でお世話になったエルさんにマリナさん、カールさん。

 マーガの街で出会ったシユさんとパーティメンバー。

 王都のオーガ討伐などで一緒だったルイナさんと各パーティの面々。

 

 人の多さに混乱しつつ、用件を訊くと全員が声を合わせて一言。

『忘年会と新年会を同時にやりにきた!』って……。

 こ、これだから自由な冒険者達は! はぁ……サールさんに許可をもらわないと。


 でも、よく私たちがこの教会にいるって分かりましたね?

 疑問に思って尋ねると一枚の紙を渡されます。

 それは一昨日私たちがギルドに張った張り紙でした。

 そして、このナメークっぽい絵を見たらすぐ分かった、と頷く一同。

 ……おのれ、ナメーク!


 はぁ……もうこうなったら今日はとことん騒ぎますよ! お祝い! お祝いです!


 今日の収支

 銀貨: -10枚(国民税)

    -15枚(国民税:ノアさん)

    -10枚(国民税:ニコさん)

     -3枚(国民税:ルルちゃん)

    -10枚(国民税:サマラさん)

    -3枚(ソシオ:継続登録費)

    -90枚(食材など)

 ――――――――

 残金:金貨1枚、銀貨36枚、銅貨83枚

     猫銀銭190枚

 借金残高:金貨12枚、銀貨86枚


 m(_ _)m 皆、来年もよろしくです。

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