143日目:嵐が接近中です!
神聖歴六一〇二年・
雨は上がりましたが空はどんよりと曇り空気が湿ってます。
なんか微妙に嫌な感じがする天気ですね。
まぁ、それでも今日も休まずお仕事に行かなければなりません。
借金冒険者に休日なんてないのです!
朝食を終えたらいつものように冒険者ギルドへ向かいますが……。
う~ん、街中が妙にざわついてます。
皆さんなにかに焦っている感じです……一体どうしたんでしょう?
街の様子に困惑しながらギルドに着くと、ギルド内も慌ただしい状況でした。
職員に限らず、冒険者までもあちこち駆け回っています。
彼らの邪魔にならないように受付へ移動し、いつもの筋肉お兄さんのところへ。
私たちに気が付くと、お兄さんは疲れ果てた表情を一瞬で明るくします。
その変化に不安を感じつつ話を聞くと、どうやら街に嵐が接近中だそうです。
今はまだ天気は穏やかですが、今夜から明け方にかけて大荒れになるんだとか。
なので、現在その対策に追われていると……嵐ですか……お仕事どうしましょう?
色々悩んでいると、皆さん今お暇ですか? と筋肉お兄さん。
なんですか藪から棒に……確かに今日のお仕事はまだ決めてませんけど……。
そう答えると、お勧めの仕事があります! と目の前に依頼書の束をドサリッ。
嵐対策に人手が足りません! 今なら報酬四割増しです! って本当ですか!?
驚きつつ仕事内容を確認すると、割と簡単な作業ばかりです。
これで報酬が四割増し……受けましょう! これは受けるしかないのです!
勧められた依頼、その殆どを受注しました。
でも流石に数が多いので分担して依頼を捌きます。
私は各家の窓へ木材を打ち付ける作業に。
ノアさんは魔術を使って浸水対策の土嚢を作るお仕事を。
ニコさんは緊急時の医薬品を調合しに錬金術師ギルドへ。
ミアさんは港へ船の係留や高潮対策をしに向かいます。
嵐が来るまでの時間との勝負です……しっかり頑張りましょう!
どうにか作業を終え、全員がギルドに戻ってきたのは夕方少し前。
風がだいぶ強くなり、ポツポツと雨が降り始めた頃でした。
はぁ……疲れました……欲張って依頼を受け過ぎましたかね?
もうクタクタです……早く宿へ帰ってゆっくりしたいですね。
しかし、報酬を受け取り少し休んでから外へ出ると……。
なんで!? なんでギルド船が港から離れてるんですか!?
あぁ、陸があんなに遠くに! 宿に、宿に帰れないのです!
予想外の事態に動揺しつつ、中に戻り受付の筋肉お兄さんに訳を訊きます。
すると、大型船は湾内で係留したら危険なので沖に停泊するんです、とお兄さん。
降りそびれたましたねぇ~って笑い事じゃないですよ!?
あまりのことにその場で肩を落としていると、お兄さんに一枚の紙を渡されます。
ところでギルド船内でのお仕事が残ってますけど受けますか? って……。
……なんか罠にはめられた気がします! 最悪です!
今日の収支
銀貨: +45枚(各依頼報酬)
-20枚(借金返済)
――――――――
残金:金貨3枚、銀貨52枚、銅貨21枚
猫銀銭190枚
借金残高:金貨19枚、銀貨76枚
。・゚゚ '゜(*/□\*) '゜゚゚・。 嵐の船とか怖すぎます。
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