140日目:借金返済と月末のアレ。
神聖歴六一〇二年・
朝、財布の中身とにらめっこ中です。
う~ん、やっぱり本格的に節約しないとダメですよね……。
こんな高級宿に泊まって無駄遣いしている場合じゃありません。
よし、今日から宿のランクを落としましょう! できることからコツコツとです!
そんな決意をしてノアさん達が待つ食堂へ。
この宿の朝食とも暫くお別れですね……。
またいつか泊まれるようになるといいなぁ……。
いつもよりゆっくりと食事を終え、そのあとは冒険者ギルドへ向かいます。
借金があっても毎日のやることは変わりません。
割の良いお仕事を探して、しっかりお金を稼ぐ。それだけです。
依頼を選んでいると、これにしようにゃー、とミアさん。
なんですか? なにかいいお仕事が見つかりましたか?
彼女が持っていた紙を受け取り内容の確認をします。
えっと、毎年恒例マーガの街魚釣り大会……ですか?
これ、依頼というよりお祭りですよね? ……真面目に探してください。
溜め息を吐きつつ紙を返そうとした瞬間、優勝賞金の金額が目に入ります。
……金貨……二枚!?
え? お魚釣るだけで金貨二枚も貰えるんですか!? 優勝すれば大儲けです!
開催日時は……うん、まだ少し時間がありますね。
これは確保しておきましょう。目指せ、優勝です!
それから再び依頼探しに戻ると、今度はノアさんが近付いてきました。
ノアさんはなにを持ってきたんですか? って、指名依頼!?
慌てて依頼人を確認すると、猫又商会とだけ印が押されていました
……早速お仕事に駆り出されるんですね……辛いです。
依頼内容はマーガの街から近隣の村へ薬品を運ぶ荷車の護衛。
期間は明日からの二日間。報酬は借金返済分を天引きされているので安いです。
はぁ……断るわけにはいかないので受注しましょう。
その指名依頼と村へ行く間にこなせそうな採取依頼を持って受付へ。
依頼書を渡すといつもの筋肉お兄さんに物凄く心配されました。
借金で潰れた冒険者が何人もいるってお兄さん……笑えない冗談は止めてください。
依頼を受理し終えると、お兄さんは見覚えのある紙を五枚渡してきます。
あ……今日って月末ですか……税金……最悪です。
ガックリと肩を落とす私に、申し訳なさそうに謝るお兄さん。
少しだけ待ってくださいね。国民税が三人分に、ソシオの継続登録費の合計は……。
金額を確認していると、お金がないにゃ……、とか呟くミアさん。
……なんですか、その救いを求める目は! ……もう! 今月だけですからね!?
そう言うと、一瞬で笑顔になるミアさん……なんか騙された気分がします。
ノアさんも呆れ笑いを浮かべてないで助けてくださいよ!!
……早くも借金生活に心折れそうです。
今日の収支
銀貨:-10枚(国民税)
-15枚(国民税:ノアさん)
-10枚(国民税:ニコさん)
-3枚(国民税:ミアさん)
-3枚(ソシオ:継続登録費)
-2枚(宿泊費×3+ソシオ)(寝床◎、食事◎)
――――――――
残金:金貨3枚、銀貨24枚、銅貨21枚
猫銀銭190枚
借金残高:金貨20枚
(ノ_-;)ハア…お金が……とりあえず明日の依頼を頑張りましょう。
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