49日目:追加報酬とアレ

 神聖歴六一〇二年・水蛇みずへびの月第一日・天気:曇


 今日はちゃんと冒険者ギルドへやってきました。お仕事を選ぶ前にまず受付へ。

 お姉さんに確認すると報酬はすぐに支払えるそうです……良かった。

 ギルドカードを提出して早速受け取ります。

 ……うん、意外に少ないですね……あんなに頑張ったのに……。


 私の落胆した様子を見て、お姉さんが申し訳なさそうに説明してくれます。

 やはり炭の状態では素材的価値が無いらしく、最低限の討伐報酬しか追加できなかったそうです……。

 ため息を吐くと、でも流石にそれではあんまりなので特別報酬が出ました、と笑顔で付け加えるお姉さん……本当ですか!?


 驚いていると先程渡したギルドカードが返却されます。

 あれ? なんかいつもと色が違う……。

 カードの色が黒から赤銅色の金属へ代わり、埋め込まれていた白水晶は黄水晶になっています。

 不思議に思いつつランクを確認すると――


 ――Dランクなってる!?


 呆然としているとそれが特別報酬だと言うお姉さん。

 今回の依頼達成で実力は十分とギルドマスターが判断したそうです。

 本当なら昇格試験が必要なのに……やりましたね!


 Dランク。これでダンジョンへも入り放題です! ますます稼げます!!

 そんな事を考えていると、お姉さんから一通の手紙を渡されます。

 ……何でしょう? 差出人は……ギルドマスター!?

 そこには、調子に乗って無茶をしたら即降格するからな! 的な内容が延々と書かれていました……は、はい。

 この場にいないギルドマスターを恐れつつ、お姉さんにお礼を言ってお仕事選びへ向かいます。


 さて、Dランクの依頼は何があるんでしょう? ノアさんと一緒にクエストボードと睨めっこです。

 ……やはりこのランクからダンジョン探索が解禁されることもあり、その手の仕事が多いですね。

 他は遠方の採取系クエストが追加されてますが……アレとか片道で一ヶ月掛かりますよ……あんな依頼誰が受けるんでしょう?

 

 二人で楽しく喋りながら仕事を選んでいると、いつの間にか日が傾いていました。

 時間が経つのをすっかり忘れてました……今日はもう受注は無理ですね。

 まぁ、こんな時もあります!! 

 依頼の傾向は大体分かったので明日から頑張りましょう!!

 

 ノアさんと今後の仕事を相談しながらギルドを出ようとすると、受付のお姉さんに呼び止められます。

 その手には見覚えのある紙が二枚……忘れてました。

 確認するとやはり国民税でした……あれ? ……何か値上がりしてません!?

 驚いてお姉さんを見返すと、ランクが上がりましたからぁ~と爽やかな笑顔……。

 というか、待ちなさい!! ノアさん!! 何で貴女こんなに高いんですか!? ランクいくつです!? 乙女の秘密ってノアさん!? 


 ……結局払いましたけど……今月末大丈夫かな……不安です。


今日の収支

銅貨:+60枚(指名依頼追加報酬)

   -28枚(宿泊料×2)(寝床〇、食事〇)

銀貨:+32枚(指名依頼基本報酬)

   +30枚(指名依頼追加報酬)

   -5枚(国民税)

   -15枚(国民税:ノアさん)

――――――――

残金:銀貨47枚、銅貨55枚


(´-`) ンー お金が増えても増えても税金に消えるのです……。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る