6日目:ベースキャンプ

 神聖歴六一〇二年・月兎の月第一九日・天気:晴れ


 今日も良い天気。太陽も私を祝福している気がします、頑張らないと。

 出発する前に、ギルドのお姉さんに一言挨拶しておきました。いつも心配してくれますからね。

 お姉さんは大変慌てていましたけど、大丈夫です私は帰ってきますよ。


 本日の予定ですが、まずは目的の鉱山、コボ鉱山の麓を目指します。

 そこに冒険者達が作ったベースキャンプ的なものがあるはずなのです。

 距離にして徒歩で約一日、馬車なら半日はかからない程度。なかなか遠いです。

 冒険者になってから初めての本格的な遠征かもしれませんね。

 

 それにしても野宿セットに新たに買ったツルハシ、普段使っている装備品などを背負うとかなりの大荷物です……むぅ、荷馬車が欲しい。

 今後は荷運びのポーターを雇う事も考えないとかもです。人件費の問題で今は無理ですけど……貧乏は辛いです。

 中堅冒険者以上が探索するダンジョン等を攻略すれば、何でも入って、重さも変わらない夢のような鞄が手に入る事もあるそうですけど……本当ですかね? 

 

 一人黙々と歩き続け、日が傾き始めた頃にようやくベースキャンプへ到着する事が出来ました。キャンプはそこそこな人で賑わっています。

 日が完全に落ちる前に早速、野宿の準備に取り掛かりました。

 まずはテントを張ります。端の方で目立たないように作業をしていると、大きな熊のような冒険者のオジサンに注意されました。

 声を掛けられた瞬間、咽喉から心臓が飛び出るかと思ったのです。

 

 オジサンの話では、初心者は出来る限りキャンプの中央に近い場所で野営するようにという事でした。

 理由は簡単、キャンプの端は何かあった時、真っ先に狙われるからだそうです。なるほど、教えてもらって感謝です。

 それに中心に近い方が、色々な冒険者の方と交流出来ていいですね。先輩冒険者の経験や失敗談、同年代の夢や苦労話等、聞いているだけでためになるし、面白いです。この辺も初心者は中央へ! という理由なのでしょう。

 

 熊のオジサンも最初は怖かったですけど、打ち解けてみれば豪快で陽気な方でした。お名前はマック・ベーアさんと言うそうです。

 そのマックさんに、私がソロで活動している事を話すと、大変驚かれました。そして明日は、マックさん達と鉱山へ入る事を約束させられました……一人でも頑張れるのですよ? 本当、皆さん心配性です。


 そうそう、今日の夕食は他の冒険者さんが森で狩ってきた、フォレストフロッグ(いわゆる蛙。ただ大きさが中型犬程)を分けて頂きました。正体を聞いた時は少し抵抗があったのですが、食べると中々どうして美味しいモノです。

 鳥肉よりも脂がないせいかサッパリしていて、沢山食べてしまいました。決して普段お肉が満足に食べられないからといって、欲張ったわけではないのです!!


 さて、お腹も膨れたし、明日に備えて今日はもう寝るのです。

 野宿セット、大活躍です♪


今日の収支

銅貨:-7枚(買い忘れのツルハシ)

――――――――

残金:銀貨1枚、銅貨40枚



 

ウミュゥゥ!! o(≧~≦)o いよいよ明日は鉱山です!! ガツガツ掘るのです!! 頑張るです!!

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