第8話 主様観察記録 ~セイ編~


~以下、セイの日記~ 

 

 

 4月23日。晴天時々雨


 今日も麗しの我が主、宇雅様はお元気そうで何よりだ。

ここへ来て早三週間。

主が出来た喜び、仲間が出来た喜びをどう表現したらよいか……。

彼らが親し気に話しかけてくれるのは凄く嬉しいが、私にはまだ接し方がよくわからない。時折あの眼鏡にイラッとすることはあれど、ここでの仕事にもだいぶ慣れてきた。

だが、最近の主様は少し様子が変に思う。

辛い物がお嫌いだとおっしゃっていたのに、‟きむち”とかいう赤い食べ物を食されていたので、何故かと聞くと、「ある人に礼として貰ったから。」という返答が返ってきた。人間から差し入れなんて珍しい。

そして最近は、毎日必ず決まった時間に下界へ降りられて、境内の様子を見ておられる。人間たちを嫌という程見てきた私にとっては、何が面白いのかさっぱりわからない。

だが、誰かを待っているような遠くを見つめるその瞳に







……私はフォーリンラブ。

ああ、いっそのこと主の犬になりたい!

わたくしは、わたくしは……!

○△÷§ΣΥΦξж~!!




   ~セイの日記~ 終

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