カード戦士スライダー

第1話 弁護士黒田 駿

｢ねぇ。お父さんまだカード無くしたの？何回再発行すればいいと思ってるの？｣娘の美紗が黒田に言う。彼には妻が居ない。と言うのも、離婚してしまっているからだ。

元々、彼の妻は検察官だった。

摂津正中大学法学部で出会った恋愛結婚だった。家では裁判の話はしないと言う前提で生活をして一男一女に恵まれたが、法廷で何度も対決しているうちに仲が悪くなった。

そして大雅12歳、美紗13歳の時に別れた。

あれからもう五年が経つのか。

｢分かってるよ。でも、すぐに無くなるんだよ。｣駿はご覧のようにだらしがない。娘に注意される。

ところで最近、刑期満了の犯人が被害者または遺族に殺される事件が多発している。

それもまだ死の一つなのだが、何か作為的なものも感じなくはない。誰かが仇討ちを始めたから流れに乗る。そんな感じがするのだ。

普通の人なら幾らなんでもやっちゃいけないとか行動を規制することが可能だが、最近の人は心が乱れているのだろうか。いや、何か仕組まれているのかも知れない。

そういうものを救いたいと思う。

｢仮面ライダーみたいなベルトに市販のカードを入れられるといいなぁ。｣急いでAmazonのページに飛ぶとそこにはお望みの品があった。

『カードマンベルト ￥15000』そう書かれていた。少し高いなぁと思っていたが、全カードを収納できると書かれていたのでまぁ良いだろう。

まさか、そんな事が可能になるとは思ってもみなかった。