第11話 マッチ売りの少女

 けれど、誰もマッチを買ってくれません。雪はしんしんと降り積もり、インコの体は冷たく凍えて行きました。家々の窓の向こうには暖かな光が満ちているというのに。

「そうだ、このマッチをすれば」

 インコは一本、マッチをくわえました。そしてそのマッチを。くりんくりんくりん。マッチ棒がバトンのように振られます。インコは一旦マッチを足で掴み、しばし何やら考えていましたが、また、くりんくりんくりん。くりんくりんくりん。楽しくなったインコは思わず駆け出してしまいましたとさ。

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