第9話 トラウマ
不登校になった理由は、おそらくもうひとつある。
それは...恋愛がらみのトラウマだ。
恋愛がらみのトラウマと言っても、直接振られたとか、そういう話ではない。
では何か。
クラスメイトの、それも親しい友達たちに騙されたのだ。
高校2年のある時、見知らぬ差出人からメールを受け取った。
相手は同じ年の高校生女子だということが分かった。
加えて、なんと当時のクラスメイトだった親しい友達の、昔の知り合いだということが分かったのだ。
その、当時のクラスメイトの親しい友達を、仮にYとしておこう。
今思えば、そんな相手から突然メールが来たこと自体を疑うべきだった...。
しばらくやり取りしていくうち、その女子はなんとなく気になる相手になっていた。
好きという程ではなかったが。
その相手からも、なんとなく好意を感じられるような内容になっていた。
高校生男子なら、「この子、もしかしたらオレの事好きなのかな?」と考えてもおかしくないような、そんな内容だったと思う。
そんな事もあって、わたしも気を許したのだろう、普段は口に出さないような事も書いていた気がする。
だが...ある時、違和感を持つようになった。
どういう理由だったか忘れたが、とにかくそのメールの内容と、相手の女子に、不自然な何かを感じるようになったのだ。
この子は、本当に存在するのか?
このメールの文面を、信じてもいいのか。
だが、最後の一点で信じたい気持ちは捨てきれなかった。
あのメールの内容を嘘だとは、信じたくなかった。
あんな風に楽しく会話したのが、作られたものだと考えたくはなかった。
だが...その気持ちは簡単に裏切られた。
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