心理

@STK5524

第1話カラオケBOXにて

おっさんQは言った。

「ホテル行こう」

女子高生Zは言った。

「嫌だ」


断られるのも当然だ。おっさんはプロレスラーで言えば泉田純に似てる冴えない男だ…


そんなこと思っていると彼女はリモコンを使い曲を入れ始めた。

「なに歌うの?」

「…」

おそらく集中してるだけだ。


♪~♪~♪~


曲が流れ歌いだしたが、何の歌なのか全然わからない。これがジェネレーションギャップなのか…


そうこうしている内に、曲も中盤までやってきた。


どうにかして流れを変えなければ。

そう考えたおっさんは目の前にいた彼女の隣に座ろうと、コの字をソファーを移動した。

移動いてる最中、彼女はこちらをジーっと見てきたが歌は歌い続けた。歌詞を覚えてるらしい。

そして2分もの時間をかけて彼女の隣に到着した。ちょうど歌も歌い終わったようだ。


おっさんがどうしようかと考える間もなく、彼女はリモコンに曲を入力し始めた。

「(これのままではマズい!)」



彼女のペースになってしまうのを恐れたおっさんQは、女子高生Zの膝を触った。



すると女子高生Zは笑った。

出会って初めて笑った。



------------------------------


二人が出会いは1時間前に遡る。


素人童貞のおっさんQ(45歳)はいつものように女子高生を物色するためゲームセンターにいた。別に声をかけるわけではない。目の保養をしに来ているだけだ。というか声をかける勇気がない。

ゲームの音でうるさい店内に辟易しながらベンチに座っていると、隣に女の子が座った。


女子高生Zだ。


「一緒にカラオケ行きませんか?」

「へぇ!?」


彼女からの誘いにビックリしたおっさんは変な声を出してしまった。


「お、おれでいいの!?」

「はい」


彼女は立ち上がり歩き出す。おっさんは付いてく。

カラオケ店に着いて彼女が手続きを済ませ部屋に入室し2人は席に着いた。


そして、おっさんは考えた。これはそういうことなのか?

素人童貞卒業だ。



おっさんQは言った。

「ホテル行こう」

女子高生Zは言った。

「嫌だ」



------------------------------


初めて笑った彼女はまた真顔に戻った。

思い切ったおっさんは、膝に触れたままの指を股の方にスライドさせていく。

彼女はなぜか抵抗しない。リモコンに触るのもやめている。


40cmほどスライドさせた指は何かに当たった。


………もちろんパンツだ。

しかし、スカートで覆いかぶさっていておっさんからはその柄は見えない。

おっさんはパンツに当たっていた右手をスカートに手をかける。

すると彼女はその右手を握ってきた。


彼女は伏し目がちになりながら

「どうするの?」

聞いてきた。


おっさんは鼻息を荒くしながら

「見せて」

答えた。



殴られた。鼻っ柱を殴られた。

結構な量の鼻血が出ている。


彼女は荷物を持って帰って行った。

一人残された素人童貞も会計を済ませ店から出た。



「まぁいっか!ハリセンボンの近藤春菜に似てたし!」


おっさんの心はどこか晴れやかだった。











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