第2話 声 (伝奇)

 かつての廃校から半世紀前に行方不明になった女子高生がそのままの姿で見つかった。

 失踪した時のセーラー服、長い髪は艶めき、まるで眠っているような姿だった。ただ、細い首に縄が食い込み彼女を襲った凶事を物語っていた。

 首に巻かれた縄をほどけば、一言だけ真実を語るだろうと、大厄災前から生きている老人が告げた。

 集会場に村人が集まり村長が慎重に縄を外すと、少女は目を見開き耳を聾するような声を発した。

「死ね!」

 その場で二人死んだ。

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