そーしゃるwithドロー悪

のつわ なごみ

誕生 -プロローグ-





まるで天使のようだ。








こんな陳腐ちんぷ比喩ひゆ表現しか浮かばない自分の脳に辟易するほど、美しい光景だった。

中を覗くためにこっそり開けた扉の隙間から、薄暗い分娩室に差し込んだ光が、僕の目に焼きついて消えない。




こんなものを見せつけられて、この子を邪険じゃけんになど誰ができるのだろうか。







僕の人生に、最大に、最高に、最低に、美しく、感動的で、苦しい瞬間が刻まれてしまった。









ここが原点。









すべての始まり。一つの命の誕生と共に、僕の人生もまた、動き始めた。












こんにちは。僕と君の大切な妹よ。














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