言葉の庭

牡丹一華

げん光

ふわりと髪がゆれた。

私はそれを横目で見ていた。

視界に映り込むそれに、私はひかれた。

光のような、まばゆい、そんな存在に。

私は赤く染まってゆく。

汚れてゆく私には気付かないで。

私とあなたの距離は遠くなる。

もう二度と会うことはないでしょう。

どうか、お幸せに。

どうか、私の事なんて知らずに、誰かと笑って暮らしてください。

もし、知ってしまったのなら、知らないフリをしてください

私は、あなたに知られてはならないのです。

さいごに、ひかれたのがあなたで良かった。

私は、幸福者です。

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