RIOID
Rεiτo
エピローグ「哀悼」
海だけが綺麗な世界に、一匹の猫がいる。愛らしさを振り撒いて、ただのんびりと生きている。その猫が僕であることはすぐにわかった。
愛らしい猫には毎日人間が寄ってくる。餌を与える人、友達を求めてる人、他にもたくさん。
ある日一人の少女がやってきた。少女は僕を「リンドウ」と呼んだ。僕の名前は忘れたけど、何故だか僕に似合っている気がした。
今日も海を見ている。海の向こうからオレンジの光たちが流れてくる。
「どこからきた灯篭かな。」
少女は光たちを見据えながら、そう呟いた。
灯篭がこちらに届くことはなかった。
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