4/11 思うこと

先日のことである。うちの利用者さんが亡くなった。


もともと末期がんだったため、先が長くないのは知っていた。


葬式の席で、初めて会う身内の方に挨拶された。


取り繕っているのが丸わかりでいい気分しない。


儀礼的挨拶に始まり、お経が淡々と流れる。


何の感情もわかず、ただ淡々と時間がすぎていった。


最後の献花のとき、初めて死に顔を見たとき、我慢していた感情が一気に爆発した。


とめたくても止まらない涙。


ただ、「ありがとう」と言いたいのに涙が遮って言葉が出ない。


ようやく搾り出してかすかな声で「ありがとう」と言うのが精一杯であった。



その夜、久しぶりに酒を飲んだ。


アサヒの生ビール、その人が好きだったビールである。


ただ一言言いたい。「介助させてもらいありがとう」


いつも飲んでいたビールにあえて今日は私が言おう。


「乾杯」

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