二人目、戸惑う

「……ん。」


次に目を覚ましたのは、【真屋夏生】。

金髪で、所謂イケメンと言えた。彼は寝惚けた目と、寄り掛かっていたソファに腰掛けたままで周りを見渡す。まだ夢の中だと思っているのかもしれない。

他にもロングソファや床に寝ている面々を見渡し、最後に起きている"夜々"に目を止めた。


「……ここはどこ?君は誰?」


当然の問い。


「ボクは、"山科夜々"。ここがどこかは、ボクも憶測しか答えられないからごめんね。」


彼女は、少し嘘を吐いた。けれど、嘘にはならないように。見聞きしただけでは、"知っている"とは一概にも、言えないのだから。


「……そっか。俺は"真屋夏生"。これ、"夢"じゃないよね?」


「"夢"じゃないさ。ボクらには"現実"だよ。」


「もしかして……、夜々ちゃん、でいいかな?君もあの手紙もらった?」


それ以外ないだろうと言ってしまえば、頭のいい人間なら勘繰ってしまう。


「確かに……、怪しい手紙をもらったよ。」


彼女は考えていた。

『お迎えに上がります。』はわかる。『時は来ました。』は何だろう。

"夜々"なら、わかっただろうか。


◆◇◆◇◆◇


その時、話し声に反応したのか、夜々並に小柄な少女が寝そべっていたロングソファから起き上がった。

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