第71☆虚偽の中のリアル<シナリオ入門>
シナリオの強みは、カメラで場面を捉えることができるということ。
セリフは必ずしも必要でないし、セリフは嘘をつく、という言葉がある。
たとえば「大丈夫」と言いながら足が笑っているとか、「いいんだよ」と言いながら、拳を震わせていたり、「散歩だ」と言って息子に会いに行った夫人が左右別々のサンダルを履いていたりと、シナリオはエピソードを見せていく分野だ。
そして登場人物の心情はモノローグやナレーションで安易に説明するのは手抜きだ。行動で示さなくちゃいけない。
そんなシナリオの入門編。
課題:異世界の入り口を見つけること。
これは実際に授業で生徒たちが街に解き放たれた。時間は結構長かった。
・遠くに見える大きな木の根元には異世界への入り口がある。
・すべての信号が突然青に変わり、事故が多発。その渦中に異世界への扉が開く。
・公園の滑り台のルーフに入ると異世界へ飛ばされる。
などなど。
実は背もたれからのぞいた椅子の隙間、などというのもアリだが、(ドラえもんなんて机の引き出しから飛び出てくる)わたくしは鏡ばりのショーウインドウにきらきらしたインテリアが飾られているショップが気になり、
「あるとき鏡が割れて、鏡の中の世界に閉じ込められてしまう」
というシナリオを書いた。その後知ったが、その店はおしゃれなランジェリーショップだったというオチがついた。ああ! つまらないものを書いてしまった!(悶絶)
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