第32話:「まささん、ねねさんの髪を洗う」の巻
(その後、まささんの背中を洗っていたねねさんは、まささんの頭にいきなりシャワーをかけたのでした)
「ぶはッ! 何、何々ッ!」
「まささん。わたしが頭洗ってあげます(わしわし)。どう? 他人に頭洗ってもらうの気持ちいーでしょ?」
「ま、まあね(心の声:床屋でやられるのとはまた別の快感。く~、癖になりそ)」
「じゃ、流し終えたら、今度はわたしにも同じ事やてください。お願いします!」
「はェ?」
まささんの洗髪を完了したねねさんは、さっさと自分から身体洗うモードに突入。湯船に強制送還されたまささんに、有無を言わせず「背中洗う」→「髪を洗う」の連続コンポを要求してきたのでした。
もちろん、これを拒絶できるほど肝の太いまささんではありません。
「(心の声:う~、すべすべじゃ~)」
「(心の声:シャワーを当てて、シャンプー手に乗せて、そのままわしわし……で、いいんかいな? 女の髪なんか洗ったことないから、さっぱりわからんぞ)」
「まささん! もと力入れて洗てください!」
「こ、これぐらい?(わしわし)」
「駄目です! もともと強くしてください!」
「(心の声:指に髪の毛が引っかかるんだが、いいのか? 痛くないんかな?)じゃあ、こんなもんで(がしがし)」
「う~ん、キモチイー! 髪の毛長いと、ホント、洗うのがタイヘンね。わたし、ずと誰かにこうして頭洗てもらうの夢だたの! まささん、アリガトー!」
「い、いえ。どーいたしまして」
「じゃ、シャンプ流したら、リンス付けてください!」
「おーけー」
リンスを馴染ませたねねさんのロングヘアを何度も手指ですいているうちに、美容師さんに憧れる男性の気持ちが少しわかったまささんなのでありました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます