第12話:「ねねさん、痛車に乗る」の巻
(焼き鳥屋さんでお土産を受け取り、まささんはねねさんをアパートまで送っていくことになりました)
「まささんのクルマどれですか?」
「これ」
「おゥ! すごーい!」
ねねさんが目を丸くします。
なぜなら、まささんの愛車はオリジナルキャラの「痛車」だったからです。
まささんが「小説家になろう」に掲載している小説のヒロインが、その車体側面に「これでもかッ!」てくらいに描かれてます。
大抵の日本女性であれば「うわッ! キモッ! オタク死ね!」とどん引きすることでありましょう。
「スゴイネー。目立つねー」
「おかげで悪いところには行けなくなりました。どこ行っても、このクルマがボクのクルマだってバレるからね」
「まささん専用っていいことだと思うよ。わたしと同じね」
「(心の声:俺専用、ねェ。んなこといわれてもいまひとつぴんとこないや)」
クルマに乗り込むまささんとねねさん。
さあ発進、という場面で、シフトノブに置かれたまささんの左手に、ねねさんが自分の手を重ねます。
「わたし、マニュアル車乗るの苦手。クラッチ繋ぐ時、いっつも『ガツン』てなてしまうね」
「慣れですよ。慣れちゃえば、なんてことない操作だから」
「おゥ、まささん、運転上手いね~ これ一速。二速。三速~」
「ボク、クルマの競技出てるんだけど、いつか機会あったら見に来ます? ちなみにこれがB級ライセンス」
「おゥ、すごいー! サーキットとか走るんですか? 行く行く、行きたい~! わたし、絶叫マシンとか大好きよ」
「(心の声:なら、大丈夫か)だったらその時には助手席に載せて走ってあげますね」
「楽しみ~」
クルマで走ること数十分。まささんの愛車は、ねねさんのアパート付近に到着します。
「今日はありがとね。楽しーかったよ。また誘てくださいね。待ってるから」
「また近いうちに必ず」
「じゃ、これ約束の印(チュッ!) おやすみ~」
帰って行くねねさんの姿が見えなくなっても、しばらく放心状態のまささんなのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます