ホイール・オブ・フォーチュン
瑠璃羽
プロローグ 闇の中にて
闇ーーー。
どこを見ても暗く深い闇が果てしなく続いていた。今自分が垂直に立っているのかどうかすら分からない。
いや、もしかするともう自分の身体はとうに闇に溶けてしまったのかもしれない…。
「俺、本当に死んだのか…」
なぜ俺は死ななければならなかった?
自殺や不慮の事故で死ぬようなヘマはしなかった。
そうだ…、あの日あの場所で俺は殺された。あれは何の前触れもなく現れて泣き叫びながら俺を殺した。
その事を思い出したとたん激しい憎悪の感情が湧き上がり、頭に血が上ったせいか激しい頭痛に襲われた。
頭痛はいつまで経っても治まる気配はない。死ぬほど痛い。もう死んでいるのにおかしな話だと思わず笑うと痛みが少し引いた。
ふと何かの視線を感じ、辺りを見回すとさっきまで黒一色だった世界に一点の鈍い光が指していた。
「さて、この先は楽園か、煉獄か…。」
俺は、光に向かって歩き始めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます