金木犀
ふわり 香りに誘われて ふらり 彷徨う秋の道
道すがら見つけた 愛らしく高潔な花は
自らのみぞ知る 自らのみが持つ魅力を 存分に生かしながら
謙遜を知らぬ乙女のように 甘い主張を繰り返す
橙の小さな花が ふわり 芳香を放ち
あまりの濃厚さに くらり 強い眩暈を覚える
真実の愛を欲し 求める遊女のように
官能的な とろりとした香りを身に纏い そっと寄り添う
恥じらいながらはにかんだ 清純な少女のように
濃緑の厚い葉に身を隠し
変わらぬ魅力に気づいてと 甘くささやき訴える
それは初恋のように ゆるりと胸を締め付ける
気が付けば とらわれて 他に何も考えられなくて
思うつぼとは知りながら 陶酔させられるがままに
目を閉じ この身を任せた
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